この「公表義務化」は、単なる“形式的な報告”ではありません。 企業が自社の育休状況をオープンにすることで、社会全体に「見える化の圧力」が働き、実際の取得促進につながると期待されています。
なぜ「公表」が義務化されるのか?
日本政府は、2030年までに男性育休取得率85%を目標に掲げています。 しかし、企業によっては「制度はあるが、実際に使われていない」という課題が残っており、透明性を高めることで“使う文化”を根付かせることが狙いです。
これまで育休の取得率や取得者数は、社内では共有されても社外には非公開なケースがほとんど。 「どの会社が本気で取り組んでいるのか」が見えにくい状況でした。
今回の改正で、多くの企業がデータを開示することになり、転職希望者や求職者にとっても重要な比較指標になります。
対象企業と公表内容
- 対象:従業員300人超~1,000人以下の企業(2025年4月以降)
- すでに:1,000人超の企業では2023年4月から義務化済み
- 公表内容の例:
- 男性の育児休業取得率
- 平均取得日数
- 育休制度の利用実績 など
厚生労働省によると、今後は公表内容をもとに「優良企業の見える化」も進めていく方針とのことです。
企業にとってのメリット
一見すると「公表義務=手間が増える」と思われがちですが、 実は企業ブランドや採用活動において大きなプラスになります。
- 育休推進=働きやすい企業としての信頼アップ
- 採用時のPR効果(特に20〜30代の男性に響く)
- 社内での意識改革(管理職の理解促進)
個人・家庭にとってのインパクト
「育休が取りやすい職場かどうか」が見えるようになることで、 従業員は安心して育休取得を検討できるようになります。 また、企業選びの新しい指標としても重要性が高まるでしょう。
特に若手世代では、「育休を取れる会社で働きたい」というニーズが急増しています。 公表義務は、企業の姿勢を可視化し、個人の選択を後押しする仕組みです。
まとめ:「透明化」が文化を変える
制度が整っても「使われなければ意味がない」。 その一歩として、今回の「育休取得率の公表義務化」は大きな転換点になります。
数字を出すことは勇気のいることですが、 それをきっかけに社内の課題を見直し、次のアクションにつなげる企業も増えています。
これからは「制度がある」だけでなく、「使われている」ことが問われる時代。 あなたの会社はどんな未来を描いていますか?
参考・出典
・厚生労働省「男性労働者の育児休業取得率等の公表義務化」案内(PDF)
https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/001029776.pdf
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